一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の学科試験は、どちらも同じ教則「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第5版」から出ます。違うのは、試験の形と、一等だけに足される範囲です。どちらを受けるか迷っている人と、二等のあとに一等を考えている人に向けて、違いを並べます。
試験の形の違い
| 二等 | 一等 | |
|---|---|---|
| 問題数 | 50 問 | 70 問 |
| 試験時間 | 30 分 | 75 分 |
| 合格ライン | 80%(40 問) | 90%(63 問) |
| 落とせる問題 | 10 問 | 7 問 |
| 1 問あたりの時間 | 約 36 秒 | 約 64 秒 |
| 形式 | 三肢択一(a・b・c) | 三肢択一(a・b・c) |
どちらもテストセンターのパソコンで受ける CBT で、3 つの選択肢から 1 つを選びます。
数字を並べると、一等は「時間に余裕があるが、ミスに厳しい」試験です。二等は 10 問まで落とせますが、一等は 7 問しか落とせません。問題数が多いぶん、1 問あたりの重みは軽く見えますが、90% は「ほぼ全部わかっている」水準です。二等なら模試で 85% 取れていれば合格ラインを越えますが、一等ではまだ届きません。
一等の範囲は「二等の範囲+〔一等〕の項目」
教則 第5版の見出しには、〔一等〕と付いた項目が 29 あります。二等の試験はこの 29 項目を除いた範囲から、一等の試験は全部から出ます。つまり、二等で勉強したことは、一等でもそのまま出ます。
〔一等〕の項目は、教則の 16 分野のうち 8 分野に散らばっていて、大きく分けると次の 3 つです。
1. カテゴリーⅢ飛行
第三者の上空を、立入管理措置を講じずに飛ばす飛行(カテゴリーⅢ)は、一等の技能証明が前提です。そのため、カテゴリーⅢで追加で求められることが、一等の範囲になっています。
- 運航管理の体制、操縦者に追加で義務づけられる事項、飛行の申請
- 離着陸・自動操縦・緊急時の対応で、カテゴリーⅢだけに追加される注意点
- 保険やセキュリティ、安全の確保、経路の決め方
二等の範囲で覚えた「カテゴリーⅡまでのルール」に、何が足されるかを押さえるのが近道です。
2. 計算
飛行性能の基本的な計算と、電波と通信に関わる基本的な計算です。計算問題は二等にはありません。画面の中の電卓を使って解きます。出る型と電卓の使い方は、一等の学科試験の計算問題にまとめてあります。
3. リスク評価と運航の計画
カテゴリーⅢ飛行のリスク評価、リスクを減らす策の考え方、運航の計画の立て方です。機体の種類(回転翼・飛行機)や飛行の方法(夜間・目視外など)ごとの項目もあります。知識を覚えるだけでなく、場面を読んで判断する問題になりやすい範囲です。
ほかに、飛行性能、送信機の信号、機体の故障や事故の分析、日本の電波の利用状況と電波のトラブルの調査・分析も〔一等〕の項目です。29 項目の全部の一覧は、一等と二等の学科試験の範囲の違いにあります。
問い方の違い
二等の問い方は、「正しいものを 1 つ選びなさい。」と「誤っているものを 1 つ選びなさい。」の 2 つだけです(解き方は「誤っているものを 1 つ選びなさい」の解き方)。
一等では、これに「次のうち最も適切なものを 1 つ選びなさい。」が加わります。国土交通省の一等のサンプル問題では、計算(選択肢が近似値)と、リスク評価の場面を読む問題がこの問い方です。「最も適切」は、3 つとも間違いではない場合があり、いちばん良いものを選ぶ問い方です。場面の条件(第三者がいるか、風、時間帯など)を問題文から拾ってから、選択肢を比べてください。
二等から一等へ進む人の勉強の順番
二等の学科に合格した人や、二等の勉強がひととおり済んだ人は、次の順番が効率的です。
- 〔一等〕の項目を先にやる。初めて見る範囲なので、ここに時間を使います。カテゴリーⅢ → リスク評価 → 計算の順だと、話がつながって覚えやすくなります
- 計算は電卓と一緒に練習する。本番と同じ画面の電卓で、式を入れて「=」で計算する方式に慣れておきます
- 二等の範囲を 90% の目で見直す。二等で「なんとなく正解していた」問題が、一等では失点になります。二等の範囲で間違えた問題と、自信がなかった問題を解き直してください
- 70 問・75 分の模試で仕上げる。90% に届くかは、本番と同じ問題数で確かめます
最初から一等を受ける人は、二等の範囲を先に固めてから〔一等〕の項目に進んでください。一等の 70 問の多くは、二等と同じ範囲から出ます。土台が固まっていないうちに計算やリスク評価から始めると、遠回りになります。
まとめ
- 二等は 50 問・30 分・80%、一等は 70 問・75 分・90%。一等は 7 問しか落とせない
- 一等の範囲は、二等の範囲に〔一等〕の 29 項目を足したもの。二等の勉強はそのまま一等に使える
- 増えるのは、カテゴリーⅢ飛行・計算・リスク評価と運航の計画
- 一等には「最も適切なもの」の問い方がある。場面の条件を拾ってから比べる
- 二等から進む人は、〔一等〕の項目 → 計算 → 二等の範囲を 90% の目で見直す → 70 問の模試
資格そのもの(できること・取り方・費用)は、一等無人航空機操縦士とは・二等無人航空機操縦士とはにまとめてあります。
ドロガクの一等パックには、二等の範囲の問題と、〔一等〕の項目だけの問題が両方入っています。一等の人は、ホームの分野別ドリルで「一等だけの範囲」に切り替えて解けます。二等の範囲の練習問題は、分野ごとに 2 問ずつ、登録なしで解けます。学科試験の過去問は公開されていないので、形に慣れるには国土交通省のサンプル問題と、本番と同じ形の模試が役に立ちます。
ドロガク(NAPAドローンアカデミー監修)
