一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の学科試験は、どちらも国土交通省の「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第5版」から出ます。範囲の違いは、ひとことで言うと次のとおりです。
- 二等: 教則の全体から、見出しに〔一等〕と付いた 29 項目を除いた範囲
- 一等: 教則の全部(二等の範囲+〔一等〕の 29 項目)
つまり、二等で勉強したことは、一等でもそのまま出ます。一等を受ける人は「二等の範囲+29 項目」を勉強すればよく、まったく別の試験を勉強し直すわけではありません。このページでは、29 項目がどこにあるのかを、全部並べて見せます。
試験の形と問い方の違いは一等と二等の学科試験の違い、費用の違いは一等無人航空機操縦士とはにまとめてあります。
16 分野のうち、〔一等〕の項目があるのは 8 分野
ドロガクでは教則を 16 の分野に分けています。〔一等〕の項目がある分野と、その数は次のとおりです。
| 分野 | 〔一等〕の項目 |
|---|---|
| 操縦者の心得 | なし |
| 航空法の定義・規制概要・カテゴリー | なし |
| 登録制度・リモートID | なし |
| 禁止空域・飛行方法・許可承認 | なし |
| 操縦者義務・事故・飛行計画・技能証明 | 1 |
| 航空法以外の法令 | なし |
| 機体の特徴 | なし |
| 飛行原理・飛行性能 | 2 |
| 機体の構成 | 2 |
| 要素技術・整備点検 | 3 |
| 行動規範・遵守事項 | 3 |
| 操縦知識 | 3 |
| パフォーマンス・CRM | なし |
| 運航リスク評価の基礎 | 3 |
| 気象とリスク評価 | なし |
| 機体・飛行方法別リスク | 12 |
法律の分野(航空法・ほかの法令・登録・空域)は、ほぼ一等と二等で同じです。増えるのは、機体の仕組み・操縦・リスク評価の分野で、とくに最後の「機体・飛行方法別リスク」で 12 項目と大きく増えます。
〔一等〕の 29 項目の一覧
教則 第5版の見出しで〔一等〕と付いている項目です(ドロガクが目次と本文で照合したもの)。
操縦者義務・事故・飛行計画・技能証明(1)
- 3.1.2 (4) 2) カテゴリーⅢ飛行を行う場合の運航管理体制
飛行原理・飛行性能(2)
- 4.3.3 無人航空機の飛行性能
- 4.3.5 飛行性能の基本的な計算
機体の構成(2)
- 4.4.3 (2) 送信機の信号
- 4.4.6 (1) 機体の故障や事故の分析
要素技術・整備点検(3)
- 4.5.1 (3) 無人航空機以外も含めた日本の電波の利用状況
- 4.5.1 (5) 電波の特性に伴って発生する運航上のトラブルの調査・分析
- 4.5.1 (6) 電波と通信に関わる基本的な計算
行動規範・遵守事項(3)
- 5.1.1 (2) カテゴリーⅢ飛行の操縦者に追加で義務付けられる事項
- 5.1.3 (2) カテゴリーⅢの飛行申請
- 5.1.4 (3) カテゴリーⅢ飛行のリスク評価結果による保険、セキュリティ
操縦知識(3)
- 5.2.1 (4) カテゴリーⅢ飛行において追加で必要となる離着陸の注意点
- 5.2.2 (5) カテゴリーⅢ飛行において追加となる自動操縦の注意点
- 5.2.3 (3) カテゴリーⅢ飛行において追加となる緊急時対応手順
運航リスク評価の基礎(3)
- 6.1.2 (3) カテゴリーⅢ飛行において追加となる安全確保
- 6.1.3 (2) カテゴリーⅢ飛行において追加となる経路設定の注意点
- 6.1.6 カテゴリーⅢ飛行におけるリスク評価
機体・飛行方法別リスク(12)
- 6.3.1 (2)・(3) 飛行機: リスク軽減策の検討要素の例/運航の計画の立案の例
- 6.3.2 (2)・(3) 回転翼航空機(ヘリコプター): 同じく 2 項目
- 6.3.3 (2)・(3) 回転翼航空機(マルチローター): 同じく 2 項目
- 6.3.4 (2)・(3) 大型機(最大離陸重量 25kg 以上): 同じく 2 項目
- 6.4.1 (2)・(3) 夜間飛行: リスク軽減の対策と提案/運航の計画の立案の例
- 6.4.2 (2)・(3) 目視外飛行: 同じく 2 項目
29 項目は、大きく 3 つのかたまり
- カテゴリーⅢ飛行(第三者の上空)の決まりと注意点: 運航管理体制・追加の義務・飛行申請・保険・離着陸・自動操縦・緊急時の手順・安全確保・経路設定。一等の資格の中心です
- 計算: 飛行性能の計算と、電波・通信の計算。試験の画面の電卓を使います(一等の計算問題の型と電卓の使い方)
- リスク評価と運航の計画: 機体の種類ごと(飛行機・ヘリコプター・マルチローター・大型機)と、夜間・目視外の飛行ごとに、リスクを減らす策と計画の立て方の例
範囲の違いから決まる勉強のしかた
- 二等を受ける人: 〔一等〕の 29 項目は出ません。教科書や問題集で〔一等〕と付いた項目は、飛ばしてかまいません。そのぶん、二等の範囲を確実にします
- 最初から一等を受ける人: 一等の 70 問の多くは、二等と同じ範囲から出ます。二等の範囲を先に固めてから、29 項目に進みます。合格は 90%(落とせるのは 7 問まで)なので、二等の範囲で取りこぼすと、29 項目でいくら取っても届きません
- 二等から一等へ進む人: 二等の範囲は勉強済みなので、29 項目を先にやります。カテゴリーⅢ → リスク評価 → 計算の順だと、話がつながって覚えやすくなります
資格そのもの(できること・取り方・費用)は、一等無人航空機操縦士とは・二等無人航空機操縦士とはにあります。
練習問題と模試で、範囲ごとに確かめる
一等無人航空機操縦士・二等無人航空機操縦士の学科試験は、どちらも過去問(実際に出た問題)が公開されていません。範囲を押さえたら、本番と同じ三肢択一の練習問題と模試で確かめます。
ドロガクは、受験区分を二等にすると〔一等〕の項目を出さず、一等にすると二等の範囲と〔一等〕の項目の両方を出します。一等の人は、分野別ドリルで「一等だけの範囲」に切り替えて、29 項目だけを解くこともできます(〔一等〕の項目だけの問題が 145 問)。まずは登録なしの練習問題で、今の位置を確かめてみてください。
参考: 国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第5版」目次・本文(〔一等〕の表示)
ドロガク(NAPAドローンアカデミー監修)
